あなたは会社を辞めてソロプレナー(個人起業家/ひとりビジネスを行う人)になりたいと思ったことありませんか? 人の感情は揺れ動くものです。ある日はソロプレナーの魅力に大きく傾き、また別の日には会社員としての安心感に心を落ちつかせる、そんな日々を過ごしながら会社員を続けている人も案外多いのではないでしょうか。もちろん勢いで退職するのは賢明ではありませんが、頻繁に「辞めてソロプレナーを目指そうかな」「でもやっぱり会社員のほうがリスクは少ないし」と考えをめぐらせているのなら、どちらのリスクを許容できるのか一度冷静に判断してみるのも良いかもしれません。

あなたの会社員生活満足度は?
会社に残るリスク、会社を辞めるリスクを検討する前に、あなたの気持ちを整理してみましょう。15の設問からなる「会社員生活における満足度チェック」を用意しました。それぞれ、【大いに満足(5点)】【満足(4点)】【どちらとも言えない(3点)】【不満(2点)】【大いに不満(1点)】のどれに該当するかを考えて、自分で回答した点数をメモしておいてください。
- 給与面に対する満足度はどうか
- 労働時間に対する満足度はどうか
- 年間休日、有給取得に対する満足度はどうか
- 主要業務に対するやりがいや楽しさはどうか
- 担当が決まっていない仕事や主要業務以外についてはどうか
- 仕事の量や難易度(ノルマ含む)はどうか
- 自身への評価と現在のポジションをどう思うか
- 上司の指導方法、仕事への考え方はどうか
- 上司との仕事以外の相性はどうか
- 同僚との人間関係はどうか
- 会社の方針、経営陣の考え方はどうか
- 会社の規模、社会的評価はどうか
- 研修、職場の設備、システム化などに対する会社の投資状況はどうか
- 会社の業績、将来の展望はどうか
- 通勤時間はどうか
いかがでしたか? ひとつの事象に対するネガティブな印象だけで会社を辞めようと判断するのは早計すぎます。今の会社員生活全体で見た場合にどうなのかを考えるようにしてください。
- 60点以上の方
-
あなたはとても良い会社に巡り合えましたね。十分に幸せな働き方ができているようですので、これからも今の職場で頑張っていってください。
- 45点以上59点未満の方
-
点数の低かった項目があなたの中で大きな比重を占めているのでない限り、今の職場で働き続けましょう。ただし将来に備えてスキルアップをしたり、転職市場やひとりビジネスに関する情報をチェックするのもお忘れなく。
- 30点以上45点未満の方
-
黄色信号ですね。人事異動や組織変更、経営陣の刷新など、何かのきっかけであなたの会社員生活が良い方向に向かう可能性もありますが、転職活動やソロプレナーの準備をしておくに越したことはありません。
- 30点未満の方
-
あなたにとって今の職場で働き続けるのは良くないでしょう。しっかりと計画を立てて、早く新しい仕事に転換できるよう行動することをおすすめします。
それぞれのリスクを知った上でどうするかを決める
これまでは、「会社にいれば安定した生活が送れる」と考える人が一般的でした。ですが、今の時代必ずしもそうとは言い切れません。人手不足が叫ばれている一方で、一定以上の年齢になった従業員を人員整理する企業が相次いでいます。たとえば2024年には、オムロン・資生堂・第一生命などの大手企業でも大規模な早期退職の募集がなされており、年間の国内上場企業における数字は次のようになっています。
2024年に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は57社(前年41社)で、前年から39.0%増加した。募集人員は1万9人(同3,161人)と3倍に急増、2021年の1万5,892人以来、3年ぶりに1万人を超えた。
引用元:株式会社東京商工リサーチwebサイト
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1200844_1527.html
これらを含めて会社に残るリスクをまとめると、凡そ次のようなことが考えられます。
- 経営悪化による、倒産、人員整理(リストラ)の可能性がある
- 業績悪化による、賞与のカット、給与削減の可能性がある
- 強制的な異動(不慣れな業務への配置転換)の可能性がある
- 年齢とともに転職が困難になり不満があってもしがみつくしかなくなる
- 定年再雇用では定年前と仕事内容はさほど変わらないのに給与は大幅に下がる
- シニア世代の仕事探しの現実は厳しく定年後の再就職は仕事を選べない
- 自分の意思ではどうすることもできないストレスがかかる
- 自由な働き方、収入アップのチャンスを逃す
会社に残ったとしてもリスクがあることがわかっていただけたでしょうか? 次に会社を辞めてひとりビジネスをはじめた場合のリスクも見ていきましょう。
- 軌道に乗るまで収入が得られない、もしくは低収入である
- 一定の収入が得られるようになっても持続できるか不透明である
- 収入の不安定さから、ローン審査、入居審査(賃貸物件)が難しくなる
- 社会保険料の支払いが全額自己負担となる(会社員は会社が半分負担)
- 会社員として働いた期間が短いと退職金は無く厚生年金の受け取り額も少ない
- 怪我や病気で働けなくなったらその間の収入が途絶える可能性がある
- 仕事上のトラブルにもすべて自分で対処しなければならない
- 孤独や自己管理の難しさを感じる
会社を辞めてソロプレナーになった場合には収入面でのリスクが顕著になります。
結局どちらを選んでも「リスク0」はあり得ません。会社員生活における満足度チェックの点数とそれぞれのリスクを総合的に見比べて、「今の会社に残る」「今の会社を辞めて転職する」「会社を辞めてソロプレナーに挑戦する」のどれが自分にとって、5年後、10年後に後悔しないかを考えてください。
大切なのは、リスクを理解した上で自分自身がそのリスクを軽減するためにどう行動するか、です。将来のリスクを減らすために、小さな一歩を踏み出して準備をはじめてみませんか? 「副業をする」でも「新しいことを勉強する」でも良いと思います。あなたが今はじめる準備が未来のあなたを守ります。
ソロプレナーへの想いはあるけど迷ってる?
だったら、それも含めて一緒に考えていきましょう